踊る1401便

星間旅行は今日も続く

あー…そうっすねぇ

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私は人の努力を踏みにじる行為を嫌う。
 
よくカップラーメントークで耳にする
「俺はお湯を線より少な目に入れて固めにすんの好きなんだよねー‼︎固めサイコーゥ‼︎」
とか
「シーフードは2分が断然ベストタイムなんだぜ‼︎オタクも一緒にDo⁉︎」
などに代表される、所以オリジナル精製だ。
 
個人の主義主張にケチを付けるのは良く無いと分かってはいる。
私は排他主義ではない。
しかしこの場合、他人とは違う自分アピールも多少含まれているのでは、と勘ぐってしまう。
本当にそれが好きな人と、格好だけ主義を装っている人の見分け位はつくつもりだ。
※全て個人の感想です。
 
もちろん、昨今話題になった10分どん兵衛の様に公式が認可する事態は迎合できる。
尚且つ、自らの研究不足に対し謝罪まで行っておるのだ。その向上心と謙虚さも含め、日清の素晴らしい企業姿勢が見れた一幕であった。
 
オリジナル精製もラーメン店で直接お願いする場合であればまだ分かる。味の微調整が可能で、店舗側もブランドを守る事が出来るからだ。
最近では「お客様好みの組合せをお申し付けください‼︎」サービスも珍しくは無い。
 
だが、誰でも簡単に美味しく、しかし一定のクオリティーでしか提供が出来ないカップラーメンではそれが難しい。
研究し尽くしたベストな味を見えない相手に委ねるのはプロとしても心外だろう。
※すべからく個人の感想です。
 
カップラーメンといえども、私達素人よりも遥かに商材を熟知したプロ集団が「この線の湯量で」「この待ち時間が最もポテンシャルを引き出すベストだ」と結論付けたのだ。
その意向に則るのが消費者の誠意では無いだろうか。
※もれなく個人の感想です。
 
 
その日、勤務が一段落付いた私は昼食を買いに近隣のコンビニへ向かった。
私が勤めるオフィスは二階にあり、コンビニへは裏の非常階段を使うのが最も早い。
しかしこの階段、段と段の間に隙間が少し空いている。
その為、雨が降ると上階から雨垂れが降るのが難点だった。
 
コンビニで昼食の選定をしていると復活したペヤングが目に止まった。
あ、焼きそば良いなー と考えたが、私は宇宙大好きが高じて専らUFO派だ。
カップ焼きそばは選択の余地なく、UFO択一なのである。
 
お湯はコンビニで入れてオフィスで即食す。がポリシーなので、その日もお湯を頂く事にした。
フタを開け小袋を取り出す。度重なる失敗から経験を積み、小袋を見落とすという事は無い。
 
取り出した小袋にはこう書かれていた。
 
ソースはフタの上で温めて下さい
 
コンビニでお湯を入れたため手で持ち歩く事になるのだが、プロがフタの上で温めろと提言している。
少々危険を感じたが、オフィスに戻ってからフタの上に乗せても過ぎ去った時間の温め分は戻って来ない。
仮にその数分でプロが意図した味から変わっていたら大問題だ。
 
私はフタと親指の間にソースの小袋を挟み、イソイソとオフィスへ戻った。
しかし、階段を登り始めて数段経った時、何と例の段と段の間にソースが滑り込み下へ落ちてしまったのだ。
落下地点が一階なので、取りに行けるのでは?と、ご最もな見解もあろう。
 
しかし、このビルの一階階段裏にはドアと鍵が設置されており、管理人以外は入れない構造となっている。
よもや「焼きそばのソースが落ちたから」という理由で管理人が来てくれる程暇な世の中でも無い。
 
仕方無しにソースと泣く泣く別れを告げ、オフィスに戻ったものの、これは困った。
私に残されたのはお湯に浸された麺とふりかけだけだ。
ふりかけは最初からフタに糊付けが為されていた。
なぜソースも同様にしなかったのか。少し憤りを感じもしたが切替が大事だ。
 
解決策は無いかと周囲を探った所、オフィスに設置された冷蔵庫内に小袋のソースとフレンチドレッシングを発見した。
 
こいつはラッキーだ。
ソースがあれば打開したも同然だろう。
 
早速小袋のソースを麺にかけてみる。
 
だが薄い。ウッスーーい。
本来UFOに同封されていたソースの半分量にも満たないためか、ほんのり色味が付いただけ。
私は薄味はんなり関西風味などは求めてはいない。
未だにガッツリしたものが食べたいお年頃なのである。
 
こうなったらどうにでもなれだ。
形やポリシーに拘ってはいられない。

私は薄色付いた麺の上に、同じく冷蔵庫に保管されていたフレンチドレッシングをかけ、諸共混ぜた。
 
完全に邪道だ。
とても悲しい気持ちになってきた。
 
だがこれも自らの不注意が招いたこと。
今回ばかりは受け入れる他あるまい。
 
そう自身を納得させ、恐る恐る麺を口に運ぶ。
何か罪を犯している気分だ。
 
一口…二口……これは…激ウマだ。
 
ソースの香ばしさにフレンチドレッシングの酸味が程良いアクセントになり、別ジャンルの食べ物にでもなったようだった。
これは「焼きそばになる予定だったもの」になったのだ。名前はまだ無い。
 
こ…これが…オリジナル精製……‼︎
 
新しい価値観の解放に心が震えていた。西野カナにもギリ勝てる位には震えていた。
こうなると止まらない。早る気持ちそのままに、あっという間に「焼きそばになる予定だったもの」は平らげられた。
 
過去、頑なにオリジナル精製を否定してきた事を恥じ、私に価値観の柔軟性を与え給うた日清に心からの感謝を念じ、食事を終えた。
 
こうして、失敗と思われた出来事から成功が生まれていく。
今ではすっかり「好きなように食れば良いじゃん」派だ。
人の思い込みなど簡単にひっくり返る。
その時、新しい価値観を受け入れられるかどうかが何よりも大切なのだ。
 
 
最後に。
焼きそば(になる予定だったもの)が出来上がる間、ちょっとだけ記事を書こうかなー、と思っていたら執筆に夢中になり、放置された焼きそばが極太焼うどんにクラスチェンジをしていた。
 
ここまでするつもりは無かったと、日清様へは心から謝罪申し上げる次第だ。