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踊る1401便

星間旅行は今日も続く

ズートピアを見た(ネタバレあり)④

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ついに4部作となってしまった。

どうやら私には「コンパクトにまとめる」という才能が皆無らしい。

映画本編は108分だが、感想を書いている時間の方が圧倒的に長い始末。執筆という慣れない作業間も手伝い、優に3時間は割いている。

本編108分+180分=228分。1800円/288分=1分6.25円。

おぉ。映画作品以外にも考察内容を文章に起こす楽しみが付いてこの価格とは。何と割の良い総合エンターテイメントなのか。

などと、どうでも良いことばかりを書いているから量が増えてしまう。まぁいいか。

では、以下が最後の考察である。

自分を知り、自分を受け入れる

ある時にジュディが語る印象的なセリフ。

他人と、自身の過去を受け入れる試練を乗り越えたジュディにぴったりの言葉だろう。

身体的な問題や、家庭環境、出生環境などから劣等感を抱くことは往々にしてある。しかし、今回はそのカードで生きるしかない。手札のカードを悲観した所で何も始まらない。ましてや、それを自分以外の人間や物に責任を押し付けても自分が苦しむ結果になる。仕事が出来るから人間性も優れているということはない。スポーツ万能だから素晴らしい人生とも言い切れない。お金持ちの家に生まれたら順風満帆に過ごせるのかも疑問だ。それらは各個人が持つ特性なだけであり、人間性の全てを推し量るには情報が圧倒的に不足している。逆にいえば、自分が誰かよりも大きく優れているということも無い。人生における、あらゆる要素を押しなべてみれば個々に大差など無いのだ。 

つまり、単純な1つの分野で比較しても無意味ということが分かる。

あなたは勤めている会社の誰かに劣等感を抱くだろうか。誰かを高く見積もるという事は、自身も誰かを低く見積もる事があるのではなかろうか。そういった感情は間違いなく相手に伝わっている。だから人間関係が拗れ、物事が上手く運ばない。見直すべきは自分であり、自分の現状を受け入れることが成功の秘訣である。

状況は問題ではない。あなたがどうなりたいか。これだけが問題なのだ。

理想とする姿をイメージし、その通りに行動をすれば良い。そうすれば、自ずと比較する対象は昨日や将来の自分自身に向けられる。他人の状態は気にならなくなるハズだ。すると許容の範囲が広がり、苦手だと思っていた人間も許せる様になる。それはあなたの人間性が向上した証でもある。負の感情を抱いてはいけない。負の感情は、別の負の感情をあなたに運んでくる。かといって常にポジティブであれ、と言うわけではない。自分の特性を受け入れ、常に自分の理想をイメージする。それだけで良いのだ。 

 

ズートピアはユートピア

結論で言えばNOだ。ただし、これは私の目線である。

種族で明確に区分けされた街や、女性に向けられる目は実社会のそれと全く同じ。貧困問題や人種問題、性差別などがディズニーの子供向け作品で明確に描かれていることには驚いた。少数の「異質」に対しネガティブキャンペーンを繰り広げ、マジョリティがマイノリティを駆逐する。これも情報戦術を用いた、現代的な戦争の手法である。

理想郷とは上手くいったものだが、果たして誰からの目線なのだろう。それが一定の「誰か」であり続ける限り、本当の理想は訪れることは無い。

そもそもユートピアの由来になった、イギリスの思想家トマス・モアが執筆した作品の「ユートピア」は、恐ろしいまでの管理社会国家として描かれている。スーパー平等社会なのだ。私物は許されず、家も全てが同じデザインで共有財産であり、定期的に全員が住み替える。仕事も1日きっちりと定時で行う。その為、言葉としての自由は薄い。確かに外界を知らなければ、与えられた中で幸せを得るのだろう。何かと比較するからこそ、嫉妬や僻みが生じる。現代人からしてみればそんな自由の欠片も無い生活はご遠慮願いたい所かもしれない。が、知らない方が幸せ。という事もあるのだ。

結局、何を理想とするかは自分次第であり、他人に押し付けられる物ではない。自分の幸せの尺度も自分しか持ち合わせていない。今回のズートピアが理想だとする意見があっても変ではない。それを「異質」とし許容で出来ないのであれば、それは劇中で起きた誤った押し付けになる。また、与えられたものや、他人の価値観でしか理想を語れないのは少し寂しくはないだろうか。聞きかじった言葉でしか語れないから見透かされる。格好つける必要など無い。格好悪くても、自分の言葉で語れる人間が求められているのが現代だ。そして、この考えも押し付けるつもりは無い。物事を判断し、選択をするのも各個人である。

ユートピアとは各個人の中にある理想そのものと、私は映画を通して考えた次第だ。

 

 

感想は以上で終わりとなる。

もしズートピアに興味をもって頂いたのであれば幸いだ。

ぜひ今度は「実写版テラフォーマーズが社会にもたらした事象」を考察してみたい。

が、映画館に足を運ぶ気になれるかが最も重要な課題だ。

 

 

ブベベ