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踊る1401便

星間旅行は今日も続く

ズートピアを見た(ネタバレあり)②

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思いがけずの前後編へ。前回からの続き。

主人公のジュディが、何故短期間で大きな功績をあげることができたのか。

そこには単純な映画的ご都合主義ではない「連鎖のメカニズム」が見えた。

 

 

連鎖の始まり

主人公のジュディが配属された部署ではある事件を追っている。一見関連性のない14人の行方不明事件だ。ベテラン警察官が寄って集って2週間。有力情報が見つけられなかった誘拐事件を、新人交通取締役のジュディが解決に導くことになる。

では、その「解決までの連鎖」を紐解いてみよう。

 

義務ではない、ワクワク感を求める

ベテランたちは警察官としての誇りと、必ず事件を解決させるという意気込みがあった。しかし、それは義務感の内である。与えられた任務を任務の中でこなす。型にハマった、現代的で効率重視の考え。その為、個々が大きな変革を求めることは無い。自分の役割ではないと「思い込んでいる」からだ。その仕事は自分の役割ではないと。そういった「異質」を受け入れられない狭小な風土から、警察学校を主席卒業した注目株の新人といえども、ジュディを介入させる訳にはいかなかった。彼らのプライドがそうさせたのだ。これでは新しい風が入らないため状況が変わらず、進展が起こる可能性は低い。対してジュディはというと、行方不明事件の話しを聞いている内からワクワクが止まらないといった顔だ。

ジュディには幼少期からの願望がある。それは「世界をより良くする」こと。幼少期に志したその信念を持ち続け、不倒の精神でウサギ初の警察官になった。その為、行方不明事件が彼女の「潜在意識にある"信念に共鳴"した」のだろう。

何かを達成する時、真に必要なのは「ワクワク感」なのだ。たしかに経験値が必要な場面はある。しかし、経験値は時として行動の抑制に繋がり「思い切った行動」へ踏み切らせない効力もある。義務感から生じる「やらないといけないもの」では満足な結果は得られない。ベテランたちの行動原理は何であっただろうか。少なくともその表情からワクワク感は得られなかった。

本当に望むこと原点として行動を起こすと面白いように状況が上手く運ぶ。世の中はそういうメカニズムになっている。「沸く沸く」の字の通り、心の底から沸々と生じる感情が必要なのだ。

 

今、目前で起きている事に集中する

刑事らしい仕事を求めたジュディだが、行方不明事件の捜査からは置いてけぼりにされる。代わりに与えられた任務は駐車違反の取締まり。望む役割を与えられなかったジュディは大変落ち込む……かと思いきや、彼女はそれを甘受した。しかも、取締件数100件のオーダーに対し、200件を午前中で終わらせると、自身で目標を上書きして。

人は望まない道筋が見えると悲観することがある。これは前述した幼少期の記憶が原因であることが多い。「ほら見ろ、やっぱり頑張っても望んだ結果は得られないじゃないか」といったところだ。しかし、全ては必要なプロセス。脳波やら量子物理学やらが絡み長くなるので省略するが、目の前で起きている事は自身が望む目標を達成するのに必要な手順だ。その為、このタイミングで力を抜くと「"達成しないだろう"という思いの通り、達成することはない」。結果は自分が考えた通りにしかならない。それであれば、目前の出来事に集中し、力を尽くせばいい。これはスピリチュアルではなく、科学の中で実証された話しだ。違反車両の取締まりと行方不明捜査は本来結びつかない。が、目の前に課せられた違反車両取締りを全力で取組んだからこそ、望んでいた行方不明事件への関与と、その解決への糸口を見出すに至るのだ。

ジュディの取った選択は間違いなく最良だった。

 

期限を設け、集中する

達成に必要な要素がもう一つある。それは「期限」だ。

集中力を持続させるにはエネルギーが必要になる。期限が定まっておらず、ダラダラとしてしまうと集中は続かない。計画性の無い夏休みの宿題だ。力はエネルギーであり、そのエネルギーは時間と共に消耗されていく。ジュディは交通違反の際は「お昼までに200件」と宣言をした。また、誘拐事件では「48時間以内」と制限を付けられた。この一見無茶とも言える設定が力を凝縮し、功を奏することは実社会でも多い。

ベテランたちは「期限なし」で捜査をしていたのだろう。強いて言えば「早期解決」という曖昧なものだ。これが潜在意識に甘さを運び、必要以上の思考や行動を起こさなくなる。では、ジュディはというと「48時間以内に被害者を発見する」設定を強制されていた。そのため、詐欺師やマフィアの手を借りる、許可が無いと入れない区域に侵入する、といった「必要以上の行動」を起こすことができた。が、逆説的に言えば「これが必要で解決に至る正解の行動」なのだ。結果論と取れるかもしれないが物事とはそんなものなのだろう。併せて「必要以上」とはベテラン警察官たちの目線であり、ジュディの目線では決して無い。当の本人としては形振り構っていられない、が当てはまるかもしれない。また彼女に「出来ないという思い込み」はない。決めた時間の中で、目の前に集中したからこそ、突飛な行動が状況好転のきっかけに繋がったのだ。

 

 

自身の脳や体のメカニズムが理解できれば出来ないことはない。100mを9秒台で走ることも、素晴らしい音楽を創作することも、成しているのは同じ人間だ。

脳はサボりたがる性質がある。体の動きにも個々の特性がある。そういった性質を知り、活かすことが出来れば何でもできるだろう。

 

ヤバイ。全然終わらない。

またまた続く。

 

 

ブベベ